備忘録2021

今年触れたコンテンツなど

FANZA GAMES

あやらぶを起点に色々と触っていた。10作以上は触ったと思う(ほとんどはメインシナリオを1章程度読んだだけだが...)。

ここ最近のソシャゲ(広義)はシナリオに力を入れてるんだなーと思ったりする。「キャラをRPG部分の戦闘ユニットとして使えるビジュアルノベル」のように考えると、これは俺好みのものだ。

それとは別に斬新だと思ったのがプラスリンクス。広告を見ていたときはチャット返信はルールベースかなーと漠然と考えていたのだが、情報が明らかになるにつれ「人力で返信している」という状況証拠が積み重なっていき、そのコンセプトに驚愕した。

メインとしてはずっとあやらぶをやっていて、もしかしたら今年1日もログインを欠かさなかったかもしれない。 ゼロ年代エロゲの魂を受け継いだシナリオで妖怪モチーフのキャラが好き勝手に生きているという、東方厨で鍵信者だった俺のためのゲームなのよ。 相当な額を課金した。

競プロ

AtCoder青になった。こどふぉにも参加するようになり、一瞬紫に乗った。

どちらかというと今はヒューリスティックが楽しく、長期コンは何度も廃プレイをやっている。 毎日ヒューリスティックやってほしい。

新しい放置ゲーム

クッキークリッカー系のゲームは初めて触ったが、ドはまりした。 3か月くらいの間常にPCの片隅と意識の片隅を占拠していた。 実績7まで解放したところで停止中。

ブラウザゲームは複数同時実行できるので「ミストレのメインシナリオを読みながらあやらぶのイベント周回を回しながら新しい放置ゲームを進める」みたいな並行作業がしばしば起きていた。

備忘録2020

今年触れたコンテンツなど

AtCoder

競プロにハマり、毎週コンテストに出るのが習慣になった。 現在レートは水色/PAST中級。 segtreeは万能ではなかろうかと日々思っている。

イメージとしては音ゲーだろうか。もくもくと修練して自分のレベルを上げていって俺SUGEE感を楽しむタイプのゲーム。

あやかしランブル!

FANZAのブラウザゲー。 久しぶりにガチャでキャラを集めるタイプの基本無料RPGが継続できているように思う(初期のシンデレラガールズ以来かもしれない)。

キャラの描写が非常に俺好みでよい。 ポンコツ・俗物が多くて基本わちゃわちゃしているのだが、たまに切ない話があって刺さってくる。 妖怪モチーフなのが、○○年前に東方厨だった俺に特効がある。

BGMも好み。1~4章の曲が大変エモくていい。

スタミナが事実上無限なのもありがたい。 「スタミナが溢れると損」「生活が支配される」という感覚が薄れる。 個人的にはガチャよりもスタミナ制のほうがしんどいということに気づいた。 ガチャの課金はプラスなんだけどスタミナの課金はマイナスを0にする行為なんだよ...

スプラトゥーン2

全ルールXになった。 そこからはややモチベが下がり気味になり、Xパワーは低調。

エイムが大変アレなのでヒッセンしか使えなくなった。

21世紀TS少女による未来世紀VRゲーム実況配信!

去年から引き続き気に入っているなろう小説。世界設定に妄想がはかどる。

マザースフィアの人類管理は「牙を抜く」方針なんだろうなあと思う。 マザースフィアは太陽系統一戦争のときの地球を見て「人類は放っておくと内輪で争って自らの生存を脅かす」と学んだ。 そこで人類がなるべく互いに争わない方向に思想を誘導しようとしたと。

人類をひたすらに甘やかすこととか、配信サイトの検閲をしていることとか、争いの火種を極力つぶそうとしているのは見て取れる。 その結果が二級市民の9割が日々ゲームばかりしている世界になったと。マザー大勝利。 マザーがクソレトロゲーの配信をしてるのも、絶対あれイメージ戦略だよね...

もうちょっと言うとたぶん「解脱」を志向させているんだと思う。 ソウルサーバーにいくというのは、輪廻からの脱出そのものだし。マーラーに打ち克ってしまうのはやばい。 日本が最初に統治を受け入れたことから、東洋思想との相性の良さを認識したんだと思われる。

二級市民になりてえ...ソウルサーバーに魂を移して生物から解脱してえ...

その辺の妄想をしなくても、管理社会SFとか、TSとか、VTuberとか、実在ゲームネタとか、ネットミームとか、アンチ労働とかいろいろオタク好みの要素が盛りだくさんで最高。


マイブーム履歴

  • 2015 アニメ
  • 2016 なろう
  • 2017 萌豚向けオフラインJRPG
  • 2018 同人音声
  • 2019 イカ
  • 2020 競プロ ← New!

備忘録2019

今年触れたコンテンツなど

スプラトゥーン2

可処分時間を全てイカに捧げていた。

ウデマエは現状 A+ ~ S+0 あたりを往復している。最高値がイカの通り。

サーモンランでたつじん999に一回なった。

なんというか、完全に中毒になっていて、どこが面白いとか表現のしようがない。

リボルバーズエイト

セガ製のクラッシュロワイヤル風スマホゲー。 2019年12月26日をもってサービス終了。残念。

イカを始めるより前、なんか対戦ゲームがやりたいと思って手を取った。

キャラデザ・世界観が好みで思いのほかハマる。オタクはおとぎ話モチーフの現代風アレンジに弱い。

そこそこ課金して、最高で全国ランキング90位まで乗った。あんまりユーザーがいなかったと思われる。

なんか「セガ発のおとぎ話を題材にしたクラッシュロワイヤルライクなスマホゲー」はもう一作あるみたいですよ。自社内で需要を食いあってないですか、大丈夫ですか。大丈夫じゃなかったのでサービス終了したのでは。

その後

リボルバーズエイトが思いのほか面白かったので、なんかほかに自分向きの対戦ゲームがないか探してみた。

そのなかで、5月に新規サービス開始したリンクスリングスというスマホゲーを見つけて、触ってみる。

フィールドを自軍の色に染めてその面積を競うという、スプラトゥーンを一部参考にしているであろうゲームで、そこそこには面白かった。

ただ、「これやるくらいならスプラトゥーンやったほうがいいのでは。というかなんで俺はスプラトゥーンやってないの」と思い立ち、唐突にswitch本体とスプラトゥーン2を買う。

衝動買いしたときには忘れていたのだが、これまで買っていなかったのは、4年前にスプラトゥーン1を買ったときに「マンションの無料回線がスプラトゥーンのオンライン対戦非対応」でまともにプレイできなかったためである (たぶんUDPをブロックしている)。

当然2のオンラインもできなかったわけだが、なんとか快適な環境でプレイしようと、インターネット回線の新規契約をすることを決断。月X千円を代償に環境を手にする。

結果、回線代の元が余裕でとれるくらいには延々スプラトゥーン2をし続けることになった。

コンテンツを見つけるときにはいろんな経緯があるものだ。

なろう

今年もVRゲームを中心に読んでいた。

2020年1月から防振りのアニメ始まります。アニメ自体は見ないかもしれないが、なろうにフォロワーが溢れてくれないかな、という邪な願望を持っていたり。

VRゲームで今年面白かったもの2作

引っ込み思案な神鳥獣使い―プラネット イントルーダー・オンライン―

https://ncode.syosetu.com/n7682fj/

インディーズのVRMMO「プラネット イントルーダー・オンライン」を題材にした作品。

主人公が参加せず古参プレイヤーたちが会話する掲示板パートと、主人公がプレイするゲームパートに主に分かれている。

掲示板で会話している古参プレイヤーたちが個性が強くて、ゲームパートで主人公が掲示板勢と遭遇すると「掲示板で見たあの人だ!」と読者のテンションが上がる。

製作者・正木洋介によるイベントやゲーム仕様がクレイジー掲示板勢が阿鼻叫喚で「正木いいい!」と叫ぶ。楽しい

プレイヤーも製作者もみんな闇が深いしプラネへの愛が重い (主人公だけは闇が深くない)。

21世紀TS少女による未来世紀VRゲーム実況配信!

https://ncode.syosetu.com/n6398fv/

タイトルとあらすじがだいたいすべて説明している。

作中では、27世紀の人類は働かずにゲームしたり、実況配信を見たりするだけで生きている。インドア遊び人にとって最高の未来像。 人類がAIに管理された世界で、ディストピアSFっぽくも見えるが、ディストピアでも全然構わない。二級市民になりてえ。

話の構成として、主人公のTS少女が一作のゲームを数話かけてクリアまで配信し、クリアしたらさっさと別ジャンルのゲームに移る。さくさくと変わるゲーム内容が楽しい。

配信につくコメントがいかにもインターネット的でよい。 27世紀にもなるのに、俺らが俺らのまますぎる。

なんというか、俺は「インターネット的なもの」を小説にまで求めているらしい。

備忘録2018 (その2)

R18な話。なんとなく記事を分ける。 (一応URLは載せないでおく。)

ノクターン

なろうだけでは飽き足らず、ノクターンに手をだすようになった。気に入ったのをいくつか。

  • 悪魔召喚アプリを手に入れたのでデリヘル扱いしてみた
    • 4~6話で一人ずつヒロインを召喚してアレする。短編集というか、エロソシャゲのごほうびシーン集のような感じ。
    • 非常に多様なヒロインがでてくるので、誰かしらは刺さると思われる。
    • 召喚する「悪魔」の基準は、悪魔召喚アプリと聞いて思い浮かぶ例のゲームシリーズくらいに広い。
    • だいたいは人型をしているが、一部人外成分がある。初心者にもやさしいくらいのレベル。
  • 俺の妹が最高のオカズだった
    • 妹がミステリアスでなにを考えているか、分かるような、分からないような。感性がおかしいような、意外と常識的なような。少なくとも地雷はあるようだ。どうも過去に何かあったらしい。兄には好意があるのかないのか。とりあえず、エロいことはさせてくれる。
    • ...気付けば、妹の虜でした。
  • 天使のパスポート ~天使ちゃんの消しゴム拾ってあげたら、あらゆる欲望が許された件について。~
    • 頭のおかしいシチュエーションがたくさん出てくる。良い。

同人音声

DLSiteでいろいろ買っている。気に入ったのをいくつか。

  • うたかたの宿 春の出会い
    • 耳舐めに弱い。
    • ゆったりとした話し方で癒し力が高い。ぼーっとしてくる。
    • 夜のシーンは、直接的な表現を避けており、具体的になにをどうするとは言ってない。ハイコンテクスト。
  • ジト目を崩さない武器屋の娘に拝み倒して素股してもらう
    • キス音にめっちゃ弱い。
    • 最初から最後まで、セリフのテキストとしてはずっとなじられているんだけど、演技によりデレが分かるようになっている。すさまじいツンデレ

...なんというか、文字列のみとか、音声のみとかでいけるようになり、「ビジュアルはいらないんじゃないか」という思いを持つようになってきた。

備忘録2018

今年私が触れて楽しかったコンテンツを振り返る。公開が今年のものに限らない。

なろう

今年読んだ本のうち1/4以上がなろう原作のノベル・コミックスだった。かなり偏っている。

読書メーター https://bookmeter.com/users/463730/books/read

アニメ化の決まった「痛いのは嫌なので防御力に極振りしたいと思います。」にハマり、同様に美少女が楽しくネトゲする作品を読み漁っていた。 美少女がエンジョイしているのを観察するのは単純に幸せになれる。VRゲームジャンル特有の掲示板回も好き。

(「VRゲーム」「女主人公」で検索 https://yomou.syosetu.com/search.php?word=%E5%A5%B3%E4%B8%BB%E4%BA%BA%E5%85%AC&genre=401&order=favnovelcnt )

今年読み始めた中で気に入ったものを名前だけ列挙

  • 陰の実力者になりたくて!
  • 世界の闇と戦う秘密結社が無いから作った(半ギレ)
  • 全肯定奴隷少女:1回10分1000リン
  • Free Life Fantasy Online ~人外姫様、始めました~
  • ジェノサイド・オンライン ?極悪令嬢のプレイ日記?
  • 刻印術師とダブルエルフの山奥引きこもりライフ
  • 底辺だけど、異世界であがき抜く

この中でも、年間ランキング1位の「陰の実力者になりたくて!」がとんでもなく面白い。 文字数が少なく、最小限の記述量でシナリオとキャラとギャグの描写がされる。

漫画

フェティシズムとノスタルジーとちょっとした雑学で攻めてくる、どことなく「だがしかし」を彷彿とさせる作品がマイブームだった。

他にいくつか気に入ったもの

JRPG

去年に引き続き「萌豚向けのライトなオフラインJRPG」をやりたいという欲求が湧いていた。 ひととおりクリアまでできたのが7本。

オメガクインテット / Death end re;Quest / 限界凸記 モエロクロニクル / 神獄塔 メアリスケルター2 / 竜星のヴァルニール / CRYSTAR / シャイニング・レゾナンス リフレイン

...実に5/7をコンパイルハートが占める。 違うんだ、別に熱狂的ファンというわけではなくて、「萌豚向けのライトなオフラインJRPG」という条件で探すと必然的にこうなってしまっただけなんだ。

以下ちょっとした感想。

  • オメガクインテット
    • トゥルールートのラスボスまで倒した
    • ラスボスに専用対策が必要な程度の適度な難易度
    • 意外にシリアスなシナリオはまずまず好印象
  • Death end re;Quest
    • トロコン済
    • 7割方ノベルゲー(ADV)という印象。
    • バグとオカルトが密接に絡み合うシナリオは楽しめた。
    • デスエンドも割と好き。
    • このゲームに限っては、コンセプト上「ゲームバランスが壊れているのが正しい」。
      • 開発が中断してバランス未調整・バグだらけのゲームを遊ぶ、というコンセプトを満たした、見方によっては野心的な企画。
      • 意図的に壊しているのか天然で壊れているのかいまいち分からないあたりが魅力。
    • たくさんの見慣れない戦闘システムの中から、バランスが壊れているものを探す、というゲームになる。まともにRPGをやってはいけない。
    • ...やっぱり9割くらいADVかも。
  • 限界凸記 モエロクロニクル
    • クリア後ダンジョンまでコンプリート
    • 某所で「EASYに変更したときの楽さは特筆もの」と書かれていたのでEASYでクリアまでやってみた。ほぼ全部の戦闘がオートでよく、本当に楽だった。
    • クリア後ダンジョンはHARDでやったが、なかなかに手応えがあった。一部のモン娘は本当に強くて、複数回挑んでなんとか倒せた。(そのあとの胸キュンスクラッチは非常に緊張する)
    • シナリオは無いに等しい。まあモン娘とイチャコラできればそれでなにひとつ問題はないけど。コボルトちゃんが好きデス。
  • 神獄塔メアリスケルター2
    • 2はトロコン、1はクイズによるショートカットから最後まで
    • 相変わらず、キャラと世界観は非常に好み。
    • 戦闘バランス(2)は、全体魔法ゲーだった前作よりはいい感じだと思う。あとダンジョンが狭くなったのがとてもありがたい。
    • シナリオはやや中だるみ感がある。中盤の話が、うまくいかないことの繰り返しでフラストレーションがたまる。
    • 終盤は演出シナリオともに好印象。
      • このために中盤の話があるのは分かる。にしてももう少しどうにかできなかったものか...
  • 竜星のヴァルニール
    • トロコン済み
    • 低予算感を強く感じる作りで、CG枚数や演出が物足りない。
    • シナリオに関しては、ゼフィの物語としては割と好き。ノーマルエンドが本筋。
    • いくらなんでも、サブキャラが存在意義がなさすぎませんか...
  • CRYSTAR
    • トロコン済
    • BGMとビジュアルが非常に良い。マップに立っているだけで絵になる。
    • もともとは割ともっさりだったが、アップデートにより爽快感は増した
    • 難易度「難しい」でも敵の攻撃力が低めだったため、防具を禁止するなど自主的に難易度調整を行った
  • シャイニング・レゾナンス リフレイン
    • オリジナルモードをクリア
    • 全体的に普通で、安心できるシナリオ。
    • リアルタイム戦闘のゲームで、アイテムを使う際にポーズメニューからウェイトなしで使うのが適切かどうか分からない。プレイヤーに有利すぎる気がする。
    • とはいえ、そのおかげで強制で2人になるところもなんとか低いレベルでクリアできたわけだから、投げ出さないためにはこれくらいでいいのかもしれない。

総合的には、メアリ2が一番楽しめたと思う。

同人音声

ASMRに入門し、DLSiteで音声作品を買いあさっていた。 かなり市場が整備されていて、商品ページ→視聴→レコメンド作品の商品ページ→視聴→...と回遊しながら、気に入ったものをカートにいれていくことができる。

毎週、週末の夜にアルコールを摂取して新しく買った同人音声を聞くのが、一時期の習慣になっていた。 作業用BGMとして流しながらUnityで遊ぶなどもしていた。

気に入った作品をいくつか挙げる。

  • 苦い貴方にお砂糖を https://www.dlsite.com/maniax/work/=/product_id/RJ194374.html
    • 初めて買った耳かき音声。当時衝撃を受けた。たしか、なろうでDLSiteの広告が出ていたのをクリックしたんだと思う。
    • 耳かきの音の「耳に棒が入っている感」が、自分が聞いた中では今でもトップクラス。
  • りりふれ https://www.dlsite.com/maniax/work/=/product_id/RJ199488.html
    • 多彩な癒しシチュエーション、いたずらっぽい演技などが好み。
    • 足音が特に好き。妹の軽やかな足音と兄の重苦しい足音の差異がとてもよい。
  • 音無奏の音フェチ研究室 https://www.dlsite.com/maniax/work/=/product_id/RJ150001.html
    • 「音フェチの研究をするために音を聞かせる」というド直球なシチュエーションで、とにかくいろんな音を聞かせてくれる。
    • これのせいで、日常生活の中で気持ちいい音に気づくようになってしまった (ペットボトルをちゃぽちゃぽする音、ビニール袋をがさがさする音、MacBookの表面をこする音など)。

演算誤差と戦う

浮動小数点を使ったときの誤差についてはよく話題になる。 https://togetter.com/li/1289806

「0.01を10000回足したら100.003になる」といわれているが、実際にそうなるのか試してみよう。python3で0.01を10000回足す処理を書いてみる。

sum = 0
for i in range(10000):
    sum += 0.01
print(sum)
print(sum == 100)

結果はこうなった。

100.00000000001425
False

100.003とは違うが、とにかく誤差は発生している。誤差が違うのは、python浮動小数点がdouble型だからであろう。

計算機で整数以外を扱うときには数値表現の誤差・演算誤差に気をつけないといけない。 演算誤差を避けるための工夫について、pythonモジュールを使いながら見ていきたい。

decimal型

decimal型はいわゆる10進数の小数型である。 decimal型を用いれば、先ほどの計算で誤差が発生しない。 実際にやってみる。

pythonでは標準モジュールにdecimalが入っているのでそれを使う。 https://docs.python.org/3.6/library/decimal.html

from decimal import Decimal
sum = Decimal(0)
for i in range(10000):
    sum += Decimal("0.01")
print(sum)
print(sum == 100)
100.00
True

0.01を10000回足すと、100と一致することが確認できた。

decimalを使えばあらゆる誤差をさけられるかというと、そうでもない。 例えば以下のような例を考えてみる。

a = Decimal("1") / Decimal("3")
b = Decimal("3")
c = a * b
print(a)
print(c)
print(c == 1)
0.3333333333333333333333333333
0.9999999999999999999999999999
False

(1/3)*3 を計算すると 0.9999999999999999999999999999 になってしまった。 有限桁の10進小数で 1/3 を正確に表現することは不可能なのである。 「3進法ライブラリ」のようなものを使えばたぶんいけるだろうが、もう少し汎用的にやりたい。

有理数

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9C%89%E7%90%86%E6%95%B0

有理数(ゆうりすう、英: rational number) とは、二つの整数 a, b (ただし b は 0 でない)をもちいて a/b という分数で表せる数のことをいう。

整数の分数は有理数である。 分母と分子を別々の整数として持っておけば、有理数の+-×÷の演算を整数の+-×で実行でき、誤差なく演算ができる(通分や約分の処理が厄介だが)。 (1/3)*3も正確に1としてくれるであろう。

pythonでは、有理数計算を行うfractionsが標準ライブラリに含まれる。 https://docs.python.org/3.6/library/fractions.html 実際に使ってみよう。

from fractions import Fraction
a = Fraction(1, 3)  # 2つの引数は (分子,分母)を表す
b = Fraction(3)     # 引数を1つだけ入力すると、自動で整数になる
c = a * b
print(a)
print(c)
print(c == 1)
1/3
1
True

(1/3)*3 が正確に 1 と一致することが確かめられた。また、print(a)が "1/3" という表示になっており、分子と分母を分けて保持していることが推察される。

ちなみに、Fractionは約分機能も持っている。

a = Fraction(4, 6)
b = Fraction(2, 3)
print(a)
print(a == b)
2/3
True

4/6を2/3に約分してくれている。

さて、有理数が正確に計算できた。次はもちろん無理数へと進んでいく。

代数的数

無理数の中でも比較的扱いやすい、代数的数が誤差なく計算できるかどうか検証する。なお、この記事では実数のみを扱う。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BB%A3%E6%95%B0%E7%9A%84%E6%95%B0

代数的数(だいすうてきすう、英: algebraic number)とは、 複素数であって、有理数係数(あるいは同じことだが、分母を払って、 整数係数)の 0 でない一変数多項式の根 (すなわち多項式の値が 0 になるような値)となるものをいう。 すべての整数や有理数は代数的数であり、またすべての整数の冪根も代数的数である。

まずは、Fractionでは \sqrt{2}^2 = 2 が成り立たないことを確認する。

import math
a = math.sqrt(Fraction(2))
b = a * a
print(a)
print(b)
print(b == 2)
1.4142135623730951
2.0000000000000004
False

当然、有理数の範囲では√2は扱えない。そもそも math.sqrt() は平方根を近似値で求める関数であろう。

python無理数を含めた代数計算を行うライブラリとして SymPy がある。 https://www.sympy.org/en/index.html

$ pip install sympy

さて、sympyでは \sqrt{2}^2 = 2 が計算できるだろうか。

import sympy
a = sympy.sqrt(2)
b = a * a
print(a)
print(b)
print(b == 2)
sqrt(2)
2
True

正しく計算できた。 print(a)が "sqrt(2)" という表示になっていることから「平方根として持っている」のだと思われる。

sympyの代数的数で遊んでみる。

  • x=\sqrt{2} + \sqrt{3}としたとき、x^{4} - 10x^{2} + 1 = 0が成り立つことを確認。
x = sympy.sqrt(2) + sympy.sqrt(3)
y = x * x * x * x - 10 * x * x + 1
print(x)
print(y)
print(y.equals(0)) # 複雑な式のときは .equals()メソッドで等値判定をする
sqrt(2) + sqrt(3)
-(sqrt(2) + sqrt(3))*(10*sqrt(2) + 10*sqrt(3)) + 1 + (sqrt(2) + sqrt(3))**4
True
  • x=2^{\frac{2}{3}}としたとき、x^{3} = 4が成り立つことを確認。
x = sympy.AlgebraicNumber("2**(2/3)")
y = x * x * x
print(float(x))
print(y)
print(y.equals(4))
1.5874010519681994
2**(2/3)**3
True

楽しい。

超越数

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%B6%85%E8%B6%8A%E6%95%B0

超越数(ちょうえつすう、英: transcendental number)とは、代数的数でない数、すなわちどんな有理係数の代数方程式 x^{n}+a_{n-1}x^{n-1} + ... + a_0 = 0 (n ≥ 1 かつ、各 ai は有理数)の解にもならないような複素数のことである。...よく知られた超越数ネイピア数自然対数の底)や円周率がある。

さて最後は超越数である。超越数の計算誤差を実用上問題にする人はいるのか...? とは思うものの、興味本位で検証してみる。

高校数学で出てくる sin(\frac{\pi}{6}) = \frac{1}{2} という超越数πを含む等式がある。 まずは浮動小数では上手くいかないことを確認する。

a = math.pi / 6
b = math.sin(a)
print(a)
print(b)
print(b == 0.5)  # 0.5は浮動小数の範囲で誤差なく表現できる
0.5235987755982988
0.49999999999999994
False

0.49999999999999994になってしまった。

sympyはこの等式を上手く扱えるだろうか。

a = sympy.pi / 6
b = sympy.sin(a)
print(a)
print(b)
print(b.equals(0.5))
pi/6
1/2
True

すごい!計算機は無限精度の計算が可能だった!

(実際のところ、わけがわからない。特殊処理を入れているんだろうか?)

結論

sympyを使えば誤差で困ることはまずないと思われる(ただし、パフォーマンスは考えないものとする)